しばらく前のパソコンのトラブルの時に買ったMOディスクドライブを、数日前ようやく接続しました。
いきなりうちのパソコンのWindowsが起ち上がらなくなったので、セットアップをし直すしかないという事態に立ち至ったため、なんとかあまたのファイルを救おうと考えて、泥縄としか言いようのない状況でMOドライブを買ってきたのでした。
ところが、そのMOドライブをセットアップするためにはWindowsを起動させなければならないというジレンマが発生し、結局その時は使い物にならなかったわけです。Windowsがいかれただけで、ハードディスクがクラッシュしたというわけではなかったので、急遽昔の使い古しのMS-DOSをフロッピーからインストールし、Windowsを入れ直してもフォーマットしなくて済むBドライブに半分くらいのファイルを待避させて、なんとか絶望的な状況だけはクリアすることができたのでした。
その後修理に出してパソコンは直ったので、二度とあわてなくて済むよう、すぐにMOドライブを接続すればよかったのに、怠惰な私はそれを怠っていました。どうももう一度くらい痛い目を見ないと懲りないのではないかと自分でも思っていたのだからひどいもの。
殷鑑遠からず。最近になってあっくんがハードディスクをクラッシュさせたという報が「お客様の声」に寄せられ、これはひとごとではないと肝に銘じました。幸い少し閑があったので、ようやくその気になり、MOドライブをつないでみたのでした。つなぐといっても、面倒なことはなにもありません。SCSIボードはスキャナーを導入した時にすでにパソコンに搭載してありましたので、ただ単にそこにジャックを差し込むだけの作業だったのです。こんなに簡単なことを、なぜ今まで怠っていたのだろうと苦笑しました。
が、例によって、そこからが厄介。
つなぎました。セットアップしました。再起動しました。MOディスクドライブは見事に認識されていました。「マイコンピュータ」を開けるとちゃんと新しいアイコン「D:リムーバブルディスク」が追加されていました。スムーズな流れにほくほくしながら、ディスクをセットし、まずは小手試しに、ホームページ関連のファイル(それまでフロッピーに入れていた)を移しにかかりました。
すると、いつまで経ってもどきっとさせられる「ジャン!」という効果音と共に、
──Dドライブにアクセスできません。デバイスの準備ができていません。
というエラーメッセージが表示されたではありませんか。
をいをい、なんなんだこれは。
「リムーバブルディスク」アイコンのコマンドメニューからいろいろやってみましたが、上記のメッセージか、あるいは
──ディスクが入っていないか、またはディスクドライブの蓋が開いています。
というエラーが出るばかり。
やっぱりなあ。すんなり行くわけがないとは思ったよ。
要するにディスクドライブは正常に認識しているのに、挿入されたディスクを認識しないという状態になっているらしい。どうしてよいかわからないので、とにかくメーカーに連絡しようと思いました。
ところがすでにサポートセンターの営業時間は終わっており、ファックスも通じません。それでメールを送って事情を説明しました。
翌日返信が来て(なかなか誠実でよろしい)、それを見ると、
──確かにそういう不具合は報告されています。
とのこと。なんだかなあ。
SCSIボードの方に新しいデバイスドライバが必要だったようで、それをダウンロードしてインストールしたら、あっさり直ったではありませんか。拍子抜けしたような気分でした。
ともあれそれで、ホームページ関連のファイルを全部MOディスクに移しました。今まで実は、10枚近いフロッピーを抜き差ししながら作業していて、面倒で仕方がなかったのですが、それを全部一枚にまとめたので、ずいぶん楽になったと思います。ただ、ファイル数が劇的に増えて、参照したりする時に捜すのが厄介になりましたけど。
それより、作業中が楽になりました。というのは、私の使っているホームページビルダーは、実に頻繁に自動バックアップをおこなうのですが、フロッピーで作業していると、いちいち5秒から10秒ほども待たされるのです。アクション3つくらいごとにそれがあるのでうざったくて仕方がなく、最近はファイルを呼び出すと、作業終了までフロッピーを抜いておくことが多かったのです。そのため、不意にWindowsがフリーズしてしまったような場合に泣きを見ることも一度や二度ではありませんでした。MOベースの作業になると、この自動バックアップが、ほとんど意識しなくて済むくらい一瞬のことになったので、もううざったい想いをしなくて済むわけです。
そして、さすがは640メガ、厖大なホームページ関連ファイルを全部移しても、「使用済み領域」はごくほんのわずかに過ぎません。考えてみればこのディスクが5枚あれば、うちのパソコンのハードディスク(約3ギガ)なんか全部入ってしまうんだよなあ。
こんな大容量のメディアが簡単に扱えるようになったのだから、フロッピーディスクというものはそろそろ歴史的役割を終えようとしているのではないか、などと大げさなことを考えました。今やたいていのプログラムはフロッピーにすると何十枚というほどの厖大さになってしまったので、CD-ROMなどを使うのがあたりまえですし、それには及ばない少容量のデータのやりとりなどだったら、フロッピーで手渡しするよりもネットで送受信した方が明らかに簡単で経済的です。現に、最近のパソコンではフロッピーディスクドライブが内蔵されていないものが増えてきたそうで、徐々に淘汰されるべき存在となってしまったのではないでしょうか。
(2000.5.18.)
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