15年間ほど、旅先のレンタサイクル以外は自転車というものに乗っていなくて、一昨年(2005年)足の骨を折った時からまた使い始めたのですが、長いブランク後で気がついたことがあります。 駐輪の仕方の問題なのですが、最近、自転車のスタンドのストッパーを掛けている人がたいへん少なくなったような気がするのです。 自転車置き場に自分の自転車を駐めていて、さて出そうとする時、スタンドを外して、一旦前へ車体を送り出す形になりますが、この時、前カゴなどが隣の自転車にひっかかると、ほんの僅かであってもごくたわいなく、隣の自転車のスタンドが外れて倒れそうになるということを何度も経験しました。混んでいる駐輪場に押し込む時など、もっとしばしば隣のを倒しそうになります。 はじめのうちは恐縮して、ただ不思議に思っていただけなのですが、こう頻繁になると、ストッパーを掛ける習慣が人々から失われたのではないかと疑うようになってきました。 少なくとも私は、自転車を駐める時にはストッパーを掛けるのが当然だと思っていましたし、実際、以前はたいていの人が掛けていたはずです。私が自転車から遠ざかっていた15年の間に、いつの間にやらストッパーを掛ける習慣が無くなってしまったのでしょうか。 上述の通り、ストッパーを掛けずに駐めてある自転車というのは、僅かな力でスタンドが外れて倒れてしまいます。うちのマダムも、それが連鎖して10台くらい将棋倒しになってしまった現場を目撃し、起こすのを手伝ったことがあるそうです。子供などが巻き込まれたら危険である上に、持ち主も自転車が傷んで、良いことはないはずなのですが、なぜ掛けなくなってしまったのか理解に苦しみます。 最近、駐輪場のシステムが進化して、ラック式のところが多くなりました。ラックの溝にタイヤをはめて奧まで車体を押し込むと、それだけで固定され、ストッパーはもちろんスタンドも外したままで駐めておくことができます。ストッパーを掛けない人が増えたのは、こういうシステムの駐輪場が増えたことと関係しているのかもしれませんが、本当のところはよくわかりません。自転車が子供のお小遣いでも買えるくらいの値段になって、一体に大事にしなくなったのかもしれないし、単に面倒くさがりの人が増えただけのことかもしれないし…… しかし、繰り返しますが、ラック式でない普通の自転車置き場で、ストッパーを掛けずに駐めておくのは、自分の車体に傷がつくだけでなく、たいへん危険である場合がありますので、ぜひストッパー掛けを励行して貰いたいものだと思います。ほんの一蹴りで掛かるものなのですから。 先日、マダムと一緒に隣町の駅前まで買い物に行った際、自転車を駐めようとしてやはり隣のが倒れそうになったものですから、周囲を見廻してみたところ、ほとんどがストッパーを掛けていませんでした。少々腹が立ったので、マダムとふたりで片端から掛けてやりました。掛ける習慣が無くなっている連中が戻ってきて自転車を出そうとして、あれっという顔をするところを想像するだに愉快で、ストッパーを掛ける動作は力を入れて蹴り込むことであるだけに、他人に迷惑をかけない(というか安全励行である)ストレス発散にもなってなかなか痛快でもありました。またどこかでやってやろうかと思っています。 (2007.1.4.) |