指導している合唱団の親睦旅行で、鹿教湯(かけゆ)温泉と安曇野(あずみの)に行ってまいりました。合宿とかでなく、親睦旅行というのは気軽でいいな。
鹿教湯というのは、信州の温泉ですが、傷ついた猟師に、鹿に変化した文殊菩薩が教えたという伝説があります。名前からすると秘湯のようですが、国民保養村にも指定されていて、結構開けています。長野行新幹線上田駅からバスで70分ほど。私らは団体だったので宿からバスが来て、40分ほどで着きましたけどね。
しかし、鹿が教えたというのは、どうだろう?
鹿教湯という字が先にあったのか、「かけゆ」という発音が先にあったのか、微妙なところです。この字をこう読むというのはかなりひねくれていますし、私はやはり、名前は「掛け湯」から来ていて、学のある人が鹿教湯という字を宛て、その字から伝説が生まれたのではないかという気がします。
こういう例は、全国にも多いのではないかな。漢字に対して、無理な発音と思われる名前の場合、発音の方が先にあったのだと考えた方が自然であるように思います。詳しい方、そのあたりをぜひ教えて下さい。
温泉で一泊し、それからまたバスで松本へ抜け、大糸線の電車で安曇野の入り口・穂高駅まで行きました。大糸線と言えば一昨年の大雨で永らく不通になっていたのが、今月末についに開通するとか。おめでとうございます。
自転車を借りて、周辺を散策しました。小さな美術館が沢山あるところです。いちばん有名なのは「禄山美術館」ですが、その他、「ジャン・ジャンセン美術館」「山岳美術館」「夢穂高美術館」「森の絵本館」など、素敵な施設が多かったです。「夢穂高」はタレントの描いた絵を陳列しているという風変わりな美術館でした。片岡鶴太郎さんの絵はかなり有名ですが、その他にも加山雄三とか、賀来千賀子とか(^_^;;
雪をかぶった北アルプスがとても綺麗でした。このあたりは古代日本の海人族「安曇」が開いたと言われています。「安曇」は「出雲」と同じ種族なのではないかと思います。神話では出雲族の王子・タケミナカタノ命が、天孫族の将軍タケミカズチノ命との争いに敗れて諏訪地方まで逃げ延びたと伝えられていますので、多分その一族が諏訪から遠くないこのあたりに入植したのでしょう。母音変換によって「イヅモ」が「アヅミ」になったのではないでしょうか。
どこか古代の息吹が残っているような、ほっとする土地柄に思われました。
(1997.11.3.)
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