私はいい齢をして、いまだにウルトラマンが好きだったりするのですが、これはもう私たちの年代としては、刷り込みを受けたみたいなところがあります。 初代ウルトラマンとウルトラセブンは、私が物心つく前の作品とあって、リアルタイムでは放映を見ていませんが、その後再放送などで何度も見ました。第二期と言われる帰ってきたウルトラマン、ウルトラマンA、ウルトラマンタロウそしてウルトラマンレオはまさに私の小学生時代の放映であり、ドンピシャではまった世代と言えるでしょう。当時、子供向け雑誌でもウルトラマン関係の特集などが頻繁に掲載されており、テレビを見ているだけではわからなかったところを解説してくれたりしていました。男の子のオモチャと言えば、怪獣のソフビ(ソフトビニール)人形が圧倒的人気で、おそらく超合金ロボットが出現するまではオモチャの王者みたいな存在でした。 雑誌の特集ではときどき、歴代ウルトラマンの強さ較べみたいなこともやっていました。なぜか初代ウルトラマンがいつも最下位なので納得行かなかったりしました。「倒した怪獣の数」なんてのもポイント数になっていたので、3クールしか放映されなかった初代はもともと不利だったようです。そのくせ、ほとんど怪獣を倒しておらず、そもそも主人公となった番組さえ無かったウルトラ兄弟の長兄ゾフィが、謎集計によって常に1、2位を争う強豪になっていたのがさらに不思議なのですが、当時はそんなものかと思っていたようです。 歴代ウルトラマンの強さ較べは、かなり恣意的な得点の入れかたと謎集計で、あてにならないのですが、怪獣のほうの強さ較べ……というより「最強の怪獣は何か?」という話柄は、それから数十年を経た現在でも、けっこう盛り上がるものとなっています。それというのも、怪獣の強さというのはいろんな観点から判断することができ、一概には言えないのであって、「ある意味最強」みたいなところまで議論し出すと、甲論乙駁して話が尽きないのでした。私もいまなお、ときどき考えたりします。
初代ウルトラマンに登場する怪獣は、最初の番組ということもあってどれも印象的です。ただ単に暴れ回るだけではなく、全然動かないのに存在自体が危険とされてしまうガヴァドンやスカイドン、むしろ哀れさが先に立つようなジャミラやシーボーズ、とにかくヘンテコなフォルムと能力を持つブルトンなどなど、昭和40年頃によくぞこれだけのバラエティあふれる怪獣を産み出したものだと感心します。
さて、その中で「最強」と言えば、やはり最後の敵であったゼットンが最初に思い浮かびます。カミキリムシみたいなフォルムなのに、なぜか「宇宙恐竜」の肩書きを持ち、ウルトラマンの攻撃をすべて無効化して、火球一発で倒してしまうという超絶した強さは、やはり凄みがあります。最近の懐かし怪獣再登場が多くなったシリーズでも、ゼットンはちょくちょく再利用され、毎回相当な強敵として出現します。
もっとも、ゼットンはウルトラマンを倒したあと、科学特捜隊の新兵器によって自分も倒されています。
人間の知恵と努力こそ、ウルトラマンをも上回る大いなる力なのだという制作陣のメッセージなのでしょう。
しかし、ちょっとうがった見かたをしてみると、ゼットンはウルトラマンの攻撃をすべて平然と受け止めているように見えて、実はけっこうダメージが蓄積していたのだとも考えられます。まったく表情というものが顕れないのでわからないのですが、言うなればヒットポイントがひと桁くらいまですでに削られており、ウルトラマンを倒したのもかろうじてだったのかもしれません。そこへ科特隊の新兵器を浴びて、最後のヒットポイントを失った……と考えてみればどうでしょうか。非常に強い怪獣であるのは確かにせよ、はたして最強なのかどうかは微妙になってきます。
ゼットン以外の強敵を捜してみると、例えばメフィラス星人が居ます。メフィラス星人はウルトラマンとまったく互角に戦っていました。結局武力対決では勝負がつかず、地球人の少年の意志の強さを称えてみずから撤退します。つまり、ウルトラマンが「勝てなかった」相手であることは間違いありません。
ウルトラマンは3分間しか戦えないのに、メフィラス星人はそういう限界が無いので、防禦に徹していれば普通にウルトラマンに勝てただろうという説もあります。ただし、限界が無いというのも想像であって、巨大化を維持するための制限時間はメフィラス星人にもあったのかもしれません。
ウルトラマンが倒すのに唯一、2週を要したゴモラも強力な怪獣です。とりたてて特殊な能力を持たず、もっぱら肉体勝負でそれだけ粘ったのは立派なものです。最近のシリーズで再登場したら何やら「振動波」とかいう超能力を身につけていましたが、私としてはやはり最初のゴモラが好きですね。
肉体勝負と言えばレッドキングというのも居ます。全然赤くないのにレッドキングなのは、着ぐるみを発注されたメーカーが色を間違えたという説が有力ですが、定かではありません。まさに腕力だけで戦う暴れん坊怪獣で、顔つきをみてもいかにも頭が悪そうです。
何度か登場していますが、レッドキングのすごいところは、毎回他の怪獣と1戦2戦してからウルトラマンと連戦して、それでけっこう好い勝負をしているところです。チャンドラーもドラコも、レッドキングのスタミナを奪うに及ばなかったと見るべきでしょう。とにかく、腕力の強さという一点に限れば、最強であるに違いありません。
それからおなじみバルタン星人。3度も登場し、その後のシリーズでもちょくちょく出現します。毎回、わりとすぐに(1週だけで)撃退されるのですが、とにかくそのしつこさといったら他の追随を許しません。はるかな後年、ウルトラマンマックスと戦ったときにはついに勝ち星を上げています。その執念の強さは特筆すべきで、「ある意味最強」の最右翼でしょう。
ウルトラマンの攻撃がことごとく無効であった怪獣としては、アントラーもそうです。いにしえより伝わるバラージの青い石の力が無ければ倒せなかったでしょう。これも最強候補と言えます。
ゼットン、メフィラス星人、ゴモラ、レッドキング、バルタン星人、アントラー……と並べてきて、その錚々たる顔ぶれには襟を正さざるを得ません。これだけの強敵と戦ってきた初代ウルトラマンが、「強さ較べ」でいつも最下位であったのは理不尽です。
ここではあえて順位はつけないでおきます。皆さんで考えてみてください。
ウルトラセブンの最強怪獣は、なかなか判定しづらいものがあります。
普通に考えると、やはり最後に戦ったパンドンと思いたくなりますが、あれはセブンが絶不調のときに戦っており、しかも勝ったわけではなく、いちど負けてゴース星人に再生処置を受け、再度襲来しただけのことです。強さとしては大したことがないのではないかという意見がけっこうあります。
ウルトラセブンに出てくる「怪獣」のほとんどは、宇宙人が生物兵器として連れてくる存在であるため、強さについてもボスの宇宙人とコミで考えないと判断が難しいと言えるかもしれません。
とりあえず、解決に2週かかっている相手を考えてみると、「ウルトラ警備隊西へ」のペダン星人とそのロボット(キングジョー)、「セブン暗殺計画」のガッツ星人とアロン、そして上記のゴース星人とパンドン(サブタイトルは「史上最大の侵略」)となります。最強候補としてはこの中から選びたいところですが、パンドンは上に書いたとおり疑問があります。
キングジョーは確かにセブン最大の敵と考えられることが多いようです。セブンの攻撃技がまったく通用しませんでした。後年の合体ロボの先駆を成すような、4体に分離しての攻撃も印象的でした。
アロンは特に強い怪獣ではなく、ガッツ星人がセブンの能力を調査するために送り込んだ、いわば噛ませ犬です。「セブン暗殺計画」はむしろボスのガッツ星人の強さと狡猾さが際立ちました。最強宇宙人候補ではありますね。
その他の怪獣となると、エレキング、ギラドラス、ギエロン星獣、恐龍戦車などが印象的なところでしたが、どれがいちばん強いかとなると、好みによって分かれそうです。やはりキングジョーを挙げておくのが無難でしょうか。
帰ってきたウルトラマンは、最近はウルトラマンジャックという名前が公式になっているようですが、リアルタイム世代の私としては少々納得できないものがあります。昔はやむを得ず「新マン」とか「帰マン」とか呼ばれていました。企画段階では初代ウルトラマンが本当に「帰ってきた」という設定になっていたと聞きますが、その後の流れで別人になってしまったのが混乱の源でした。
公害が社会問題になっている頃の放映なので、大自然の怒りみたいなものを体現した怪獣が多く、あとから考えてなかなかスケールが大きかったと思うのですが、放映当時は、なかなか宇宙怪獣が出てこないのでむしろ「スケールが小さい」という批判があったようです。
その批判に応えてはじめて登場した宇宙怪獣がベムスターで、これがほぼ最強怪獣と見なされています。単なる宇宙怪獣ではなく、宇宙大怪獣という肩書きで、この肩書きを持つのはベムスターの他にはアストロモンス(ウルトラマンタロウが最初に戦った怪獣)しか居ません。
ただ、2週を要さずに倒せてしまったし、ウルトラセブンからブレスレットを受け取って再戦したらあっさり勝てたという点、いかがなものでしょうか。もっとあとの話では、ブレスレットの効力が効きにくい相手もけっこう出てきます。
ウルトラマンに完勝し、処刑寸前まで追い込んだブラックキングとナックル星人のコンビも最強候補です。しかし、2対1だしなあ……というところで疑義を挟む向きもあります。しかもウルトラマンに変身する郷秀樹の恋人を殺害し、精神的にズタボロになったところを倒したわけなので、純粋に強さという面から見ると物足りないという人も少なくないようです。ちなみに、レギュラーの登場人物が容赦なく殺されるというのは、全シリーズを通しても珍しい陰惨なストーリーでした。
なお帰ってきたウルトラマンの最終回は、初代を倒したゼットンとの戦いで、いわばリベンジマッチになっていましたが、こちらのゼットンはからだつきもぶよぶよした感じで、カッコ良いはずの触角もだらんと垂れ下がっており、相当劣化していました。「養殖ゼットン」などと悪口を言われていて、最強怪獣候補にはまず挙がりません。
星を次々と呑み込んでゆくというむちゃくちゃ巨大な怪獣(バキューモン)も登場しました。おそらく全シリーズ中でも最大でしょう。しかし、内部に入り込んだウルトラマンの攻撃であっさり倒されてしまいます。最大であっても最強ではなかったようです。サイズ的に見れば、人間がウイルス1個に負けたようなものです。ウイルスのおそろしさは増殖するところにあるので、1個だけではいかに兇悪なウイルスでもどうしようもないはずです。
グドンやツインテールなども人気のある怪獣ですが、最強だろうか、と問われると、考え込む人が多そうです。
最強談義には滅多に登場しないのですけれども、私は密かに、実は最強ではあるまいかと考えている怪獣が居ます。鳥の怪獣テロチルスです。能力がどう、腕力がどうという問題ではなく、テロチルスは1頭(1羽?)だけで退治に2週を要した怪獣なのでした。
帰ってきたウルトラマンには、2週連続という話が5回含まれています。しかしテロチルス以外の連続回は、すべて複数の怪獣が登場します。初回はタッコング、ザザーン、アーストロンと3頭も登場し、ウルトラマンはそのうちアーストロンを倒したのみでした。ザザーンはタッコングに倒され、そのタッコングが第2回でウルトラマンに倒されます。その次の連続回は上記のグドンとツインテールの登場回です。
シーゴラスとシーモンスの夫婦怪獣が登場した回も連続になっています。そして上記のブラックキング&ナックル星人と、つねに2、3頭の怪獣または宇宙人が出るときに連続回が宛てられています。しかるに、テロチルスだけは単独で2週にわたり暴れ回っているのです。これこそ「最強」の証ではないでしょうか。
ウルトラマンAに至って、敵が一種の「組織」になりました。異次元人ヤプールの操る超獣軍団が次々と攻め寄せてくるのです。
となると、その首領であるヤプールが最強なのかと言えば、意外とそうでもないのが面白いところです。ヤプールは送り込む超獣を片端からウルトラマンAに倒され、万策尽きて自分自身が乗り出すのですが、その実体化したヤプール(合体ヤプール)はさほど強い敵ではありませんでした。ただし最近の再登場ものでは、かつてのバルタン星人のようにしつこい相手になっていて、「ある意味最強」の衣鉢を継いでいます。
超獣は設定上は怪獣より強いということになっていましたが、これまでのシリーズで登場した最強候補に較べてどうなのかとなると、単に設定上のことであって実際は似たり寄ったりと言えそうです。「怪獣対超獣対宇宙人」という、魅惑的なサブタイトルの回がありましたが、怪獣代表はこれまで名前の挙がった強豪ではなく、ムルチという地味な怪獣(登場する帰マン「怪獣使いと少年」は特異な名作と呼ばれますし、撮影技法の上でも出色の回でしたが、怪獣そのものはさほど強くありません)で、超獣ドラゴリーに瞬殺されていました。
その中から最強を選ぶとすれば、まあエースキラーでしょうか。ウルトラマンAを倒すためだけにチューンナップされている超獣(超人?)ですから、それは強いはずです。他のウルトラ兄弟──ゾフィ、初代マン、セブン、帰マン──を残らず倒す実力も見せつけました。ただし、ウルトラマンAではちょくちょくほかの「兄弟」が出てきますが、おおむね役立たずで、たいていやられてしまいます。帰ってきたウルトラマンの最終回で話が出ていた光の国の侵略騒ぎで、この時点でのウルトラ兄弟はだいぶ疲弊していたのかもしれません。
エースキラーはウルトラマンAの技もすべて防ぎきりますが、4兄弟のエネルギーを受け取ったAが放った必殺技スペースQによって倒されます。4兄弟を同じところに抑留していたヤプールの作戦ミスでした。バラバラにしておけばスペースQの発動も無かったでしょうに。
ヤプール退場後に出現したヒッポリト星人も強力でした。ウルトラ兄弟をおびき寄せ、全員タール漬けにし戦闘不能に追い込んだばかりか、救助にやってきたウルトラの父さえもあっさり返り討ちにしてしまいました。地球人に対してはレンズによって超巨大な虚像を見せて威圧しています。知力・体力・特殊能力のいずれもずば抜けていて、間違いなく最強候補です。
私はそう思っているのですが、ネットなどを見ていると、ヒッポリト星人は最強怪獣としてはいまひとつ人気が無いらしいので解せません。知略にすぐれているのがかえって良くなく、「卑怯だ」というような評が散見されました。しかし知略も強さのうちと考えれば、外せない敵です。
ひとりだけでもウルトラマンたちをあれだけ追い込んだのですから、母星の仲間たちを連れてくれば、地球だろうが光の国だろうが簡単に陥とせそうです。
最終回に登場したジャンボキングは、何体もの超獣のいいとこ取りをした合成超獣でしたが、この種の合成怪獣というのは、案外大したことがないケースが多く、ジャンボキングも設定上の強さだけにとどまりました。
ウルトラマンタロウでは、バードンが最強であろうということでだいたい衆目が一致しています。タロウばかりか救援にかけつけたゾフィも瞬殺で、その点でも際立った強さを印象づけられますが、何よりもウルトラシリーズはじまって以来の3週連続話で、その絶望感も半端ないものがありました。宇宙怪獣ではなく地球産のトリであるところも嬉しいですね。
ウルトラマンタロウの放映後半になると、ジャンボキングのような「設定上は強いはず」の敵が多くなります。過去登場した怪獣や宇宙人のいいとこ取りをしたタイラントなどはその最たるものでしょう。雑誌などでも早いうちから「すごいヤツがやってくる」とばかりに予告されていました。
海王星でゾフィを、天王星で初代ウルトラマンを、土星でウルトラセブンを、木星で帰ってきたウルトラマンを、火星でウルトラマンAを撃破して地球に来るのですが、長旅と連戦による疲れのためか、ウルトラマンタロウにはわりとあっさり倒されてしまうのでした。そもそも2週連続話ですらありませんでした。設定上ではいくら強力でも、実際の戦いぶりを見た感じの「強さの印象」は必ずしも伴わないもののようです。
なお、これも小学館の学習雑誌の特集で、登場怪獣についてタロウ自身がコメントするという企画がありました。そこに、強さについての5段階評価も添えられていたのを思い出します。最強の「5」を与えられていたのは、エンマーゴ、バードン、改造ベムスター、テンペラー星人、タイラントといったところだったように記憶しています。この5頭を並べてみると、やはりバードンの存在感が抜きん出ていますので、バードン最強説は揺るがないでしょう。
私がリアルタイムで見ていたのは「タロウ」までで、「レオ」はほとんど見ませんでした。自然、レオの戦った怪獣にもあまり馴染みがありません。後半の円盤生物シリーズの敵は、防衛隊であるMACを全滅させてしまったりして、えらく強力であるようでもありますが、これもシリーズとして続いてくると「設定上の強さ」に過ぎなくなるようでもあります。ノーバとかプニョみたいに、ふざけているとしか思えない造形のも出てきました。
本放送では兇悪に思えたマグマ星人やババルウ星人などが、後年の再登場ケースではどちらかというとギャグ系のキャラになっているのも、最強候補と思えない原因かもしれません。
というわけで、ウルトラマンレオに関しては私は判定不能です。どなたかご教示くださいませ。
シリーズはさらに、第三期と呼ばれる「ザ☆ウルトラマン」「ウルトラマン80」に、さらに海外向けの「ウルトラマングレート」「ウルトラマンパワード」を経て、「ウルトラマンティガ」にはじまる平成シリーズに連なってゆくわけですが、こうなると怪獣の強さについてはなんとも言えません。平成シリーズに関しては、おそらく最終話に登場するヤツがいちばん強いのだろうと考えるしか無さそうです。
ティガではガタノゾーア、ダイナではグランスフィア、ガイアではゾグ、コスモスではカオスダークネス、ネクサスではダークザギ、マックスではギガバーサーク、メビウスではエンペラ星人ということになるのかな、と思います。昭和シリーズより全体構成を重んじるようになっているようで、最後に絶望的なほどに強い敵を登場させるというのがお約束になりました。その見せかたの演出についてもよく練られていて、設定上だけの強さという感じもしません。ダイナのスフィア、ガイアの根源的破滅招来体、コスモスのカオスヘッダーなど、敵の首領……というのではありませんが怪獣を産み出す根源みたいな存在が出てくるようになったので、最終的にその根源と対決するのが自然な流れでもあるでしょう。
さらに最近の「ギンガ」「X」「オーブ」などになると、再登場モノがむしろ主流となり、オリジナルの怪獣や宇宙人が半分以下なんてことになっています。こうなると、「その中での最強」を考えるのも何やらむなしい気分になってしまいます。
ところで「設定上最強」の極北は、ウルトラマンマックスに出てきたイフでしょう。最初はただの白い球体に過ぎなかったのが、外部から力を加えるたびに強化され、強い攻撃を加えるとそれ以上の力ではね返し、ついにマックスすら手がつけられない状態になってしまいます。結局力で倒すことはできず、盲目の少女の奏でるフルートの調べによって浄化され去ってゆくのでした。
番組ごとの最強候補を考えてみましたが、それではシリーズを通しての最強はどれかとなると、もう考える気力も残りません。というか、別の番組同士で強さを較べてどうなるんだという気もします。
ウルトラマンシリーズにはいくつかの流れがあって、まず主流なのが「M78星雲もの」です。ウルトラマン80までの全員と、マックス、メビウス、それにまとまった番組にはなりませんでしたがウルトラマンゼロがここに属します。M78星雲にある光の国を出身地とするウルトラマンのシリーズです。このシリーズでは、たぶんエンペラ星人が最強なのでしょう。その後ウルトラマンベリアルという悪役ウルトラマンも登場しましたが、エンペラ星人とどちらが強いのかはわかりません。
ティガとダイナは「光の巨人もの」で、古代に眠りに就いた巨大ヒーローということになっています。このシリーズでは、ガタノゾーアとグランスフィアのどちらが強いかということになりますが、見た感じの絶望感はガタノゾーアのほうがあったように思います。
ガイア、コスモス、ネクサスはそれぞれ独立した世界観のもとで活躍しているウルトラマンなので、較べようがないというのが正直なところです。
この中で、ネクサスは「大人の事情」により、敵を倒すのにずいぶん時間がかかります。2週、3週連続はあたりまえで、しかも話がその都度完結せず長篇ドラマのようになっています。しかし、だからと言って敵がバードン並みに強く見えるかというとそうでもなく、どちらかというとウルトラマンネクサスの要領が悪いように見えてしまうのでした。「敵を強く見せる」演出というのは、なかなか一筋縄ではゆかないようです。
というわけで、特に結論の無い話になりました。暇なときによく考えていることなので、いちど書いてまとめておきたかった次第です。
(2016.12.1.)
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