MIC's Convenience
第4回オフ会報告(その4)
箸が転んでも可笑しいモナリザ・もういらない子さんの運転するクルマが、最終的に私たちを拾って都心部へ向かったのはすでに18時半頃のことでした。 オフ会第2部会場、名古屋駅ビル・ツインタワー内の中華料理店「リトルパンダ」を予約していた時刻はまさにその18時半、先刻肝煎りのぶんげんさんが遅刻の旨電話してくれたとはいえ、これでは「少々の遅刻」で済みそうにはありません。 クルマで行くと都心部は意外と遠く、時間はどんどん過ぎてゆきます。 19時を過ぎる頃になって、私ははっと気がつきました。 「もしかして、みんな店に着いて、われわれを待ってるんじゃありませんかね。気にせず始めててくれればいいんですが……」 なんと車内の3人のうち、携帯電話を持っているのは運転中のモナリザ・もういらない子さんだけで、だーこちゃんも私も持っていないのでした。だーこちゃんは最近トラブルがあって携帯電話を解約し、新しいのをまだ入手していないということでした。 また、たとえ持っていても、電車組の番号がわかりません。肝煎りであるぶんげんさんは、携帯電話を持たない流儀だったのでした。このご時世に、携帯電話不所持の人間がこんなに集まってしまったとは、珍しい事態と言えましょう。 かろうじて、メルさんの携帯番号を控えていたのを思い出しました。しかし、モナリザ・もういらない子さんの携帯電話を借りてメルさんにかけるにしても、一度クルマを停めないと取り出せないようでしたので、皆さんに申し訳ないと思いながらも、ホテルの前まではそのまま走って貰いました。私たちがチェックインしている間に、モナリザ・もういらない子さんに電話して貰うことにしました。すでに19時半近くなっています。 無事チェックインを済ませ、部屋に荷物を置いて飛び出しました。 「電話しときました。なんだかまだ始めてない雰囲気でしたよ」 クルマに戻った私に、モナリザ・もういらない子さんが言いました。やはりそうであったか。 伏見から名古屋駅までは、クルマならすぐです。だーこちゃんと私を駅ビル前で下ろして、モナリザ・もういらない子さんは駐車場探しに出かけました。待っていても役には立たないので、そのまま店へ。 「あ、来た来た」 「いま前菜が出たところですよ」 と声がかかります。だいぶお待たせしたに違いありません。いささか時間の読みが甘かったようで、やはり異郷での企画は難しいものだと思いました。 お食事会も和気藹々の中で進みましたが、そのうちにどうした拍子か、メルさんが猛然と笑い始めたのであっけにとられました。 どうもきっかけは、アニメソングの話題になっていて(をい)、だーこちゃんが「ガンダム」と称して「ガッチャマン」の歌を自信満々に歌い出したあたりからだったのではなかったかと記憶しています。 そもそもだーこちゃんは、歌好きなのはよいのですが、人中でもけっこう声を張り上げて唐突に歌いはじめる人で、道行く人が振り返ることもしばしば。気にし始めると妙に可笑しかったりします。それが思いっきり見当外れな歌を歌い出したのがメルさんの琴線に触れたのでしょう。身をよじって笑い続け、とどまりがつきません。 一同、茫然としてメルさんを見ていましたが、ようやくおさまったかと思うと、またもやだーこちゃんの顔を見ては笑い出します。 「まあ、箸が転がっても可笑しい年頃だからねえ」 とENAさん。 それにしてもメルさんの笑い方は異常で、涙まで流し、おなかを押さえながら肩を慄わせています。おさまっては顔を上げてだーこちゃんと視線を合わせ、さらに笑い続けるのでした。だーこちゃんの何が可笑しいというのではなく、言ってみれば彼の顔がスイッチになってしまったらしく、とにかく見れば笑いが起こってしまうようです。 それならだーこちゃんに視線を向けるのをやめればよさそうなものですが、メルさんは魅入られたように、顔を上げるやだーこちゃんを見てしまうらしいのでした。 「えー、ぼくのせいじゃないよね、ぼくのせいじゃないよね」 だーこちゃんは憮然として他のメンバーに同意を求めましたが、みんな、うーんという表情で不同意を表明しています。 「いや〜、どう見てもあんたのせいでしょう。こら、女泣かせ!」 炎之Continuoさんが容赦なくツッコみます。 「泣かせているわけじゃないけどね」 といずこからか声。もっともメルさんは本当に涙を流していましたけれども。 そのうちみんな飽きてきて別の話題に移りましたが、ふと気がつくとまだ笑っています。本当に制御できなくなっているようです。 まあ、これだけ笑えば、風邪もすっかり治ったのではないでしょうか。笑いは百薬の長と申します。 炎之Continuoさんは今夜中に北関東まで帰り着かなければならないとあって、20時半頃に退席しました。これから新幹線を2本乗り継いでゆくのですから大変です。 「次はもっといろいろネタを仕込んどきますよ」 と言い置いての中座でした。それは楽しみなことですが、いつのことになるやら。 そのあと、私が提案して「リアル連狂歌」をやりました。「MIC's Convenience」のお客様にはお馴染みのゲームですが、「連狂歌」は本来がこういう、人が沢山集まった場でやるパーティゲームなのであって、web版はそれを土台にして私がアレンジ&デザインし、だーこちゃんにCGIを組んで貰ったものです。本当はパーティゲームとしてやった方が面白いものなのです。 小さく切った紙をみんなに配り、それぞれ5つ折りにし、全員同時に発句を書いて隣の人に渡します。第2句も全員同時に書き、順次廻してゆきます。廻す時には、自分の書いた部分だけ次の人に見えるように、それ以前の部分をどんどん後ろに折り込んでゆくのです。 1ラウンドで、その場の人数分の作品が一挙にできるというのが、web版にはない面白さで、そのあとでひとり一首ずつランダムに配って詠み上げます。この時も、詠み上げながら噴き出してしまうような人が続出して、笑いの絶えない場となります。 私たちは学生時代、合宿などで夜を徹してこのゲームを続けたりしたものでした。ずっと続けていると、時には驚くような名作珍作が生まれたりしますが、この場では2ラウンドだけやってみました。2ラウンドでは、ようやくやり方に慣れた程度の感じで、そんなに名作は生まれませんでしたが、その場の作品をいくつかご披露いたします。 オフ会で/一気呑みして/バカだオレ!/おいらのことか/女殺しは メルさんは/うつくしいです/なにもかも/投げ出してしまう/むら気なアナタ 胃がいたい/キャベジン呑んで/夢をみた!/ふと気づいたら/閉店時間 だーこさん/女泣かせだ/だーこはね/ちょっとアブナイ/君に口づけ 皆さんなかなか愉しんでくださったようで何よりでした。JOEさんなどすっかりツボにはまったらしく、第3ラウンドもやりたそうでしたが、とりあえずはじめてのことではあり、2回だけにしておきました。機会があったらいずれ「とことん連狂歌! オフ」でも開催するといたしましょう。 もちろんメルさんは、この間も間歇的に笑い続けていました。 連狂歌を詠む時、開いていきなり詠み始めると途中で噴き出してしまう可能性が高くなります。そうならないように、声に出す前に一旦文面を読んでおくことが奨められます。 メルさんは当然ながら途中で噴き出していたので、 「途中で噴いちゃダメだよ〜〜」 と私はたしなめたのですが、隣からENAさんが、 「そりゃあ、無理な話でしょう」 とひとこと。今宵のメルさんに笑うなと言うのは不可能を強いるようなものなのでした。 22時近くなってお開きにしました。JOEさんはこれからまた大阪まで帰り着かなければなりませんし、地元組も皆さんけっこう遠かったりします。なるしークンは駐車場が午前零時で閉まってしまうのでその前に帰らなければならないとか。 「とっても楽しかったです〜〜」 「またやりましょう」 と皆さん口々に言ってくださったので、私も大変嬉しかったです。定例化できるかどうかはわかりませんが、そんなに間をあけないで第二弾をやってみたいものだと思いました。ともあれはるばる名古屋まで来た甲斐があったというもので、大いに満足感を覚えながら、だーこちゃんと共に伏見のホテルまでの道を辿りました。 |
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